新生児に見られる「原始反射」とは。原始反射の種類と意味を説明します。
目次
赤ちゃんの動き /原始反射
さて、「生理的早産」であるヒトの赤ちゃんにとって、外界での生活は、これまでのおなかの中と違い、生きていくために大変な環境となってしまいます。
おなかの中では必要な栄養は胎盤を通して供給されていました。
温度もほぼ一定、おしっこもそのまますればいいし、体も洗う必要がない。
しかし、これからは口で乳(おっぱい、ミルク)を飲まねばなりません。
しかも、自分では動けませんので、誰かに与えてもらわねばなりません。
栄養だけではなく、排泄、清潔面でも、お世話してもらう必要があります。
赤ちゃんは自らの力で動くことが難しいため、「乳を飲む」「危険から身を守る」等の行動は「原始反射」に操られます。
「原始反射」には次のような種類があります。
- ルーティング反射(探索反射)
- 新生児のほおに触れるとそちらに口を向け頭を刺激の方向に向ける
- 吸綴(きゅうてつ)反射
- 新生児の唇に触れると乳を吸う動作をする
- 足引っ込め反射(踏み直り反射)
- 足の裏を刺激すると下肢を屈曲させて足をひっこめる
- 歩行反射
- 新生児の腋下をおさえて起立させ、 足を床につけ前傾させると歩行するような動作をする
- 把握反射(ダーウィン反射)
- 指を握らせると握り締める
- 非対称性緊張性頸反射
- 顔の向いてる側の上下肢が伸展して、反対側の上下肢が屈曲する
- モロー反射
- 大きな音などびっくりすると上肢を伸展させて手を開大する。次にゆっくりかかえこむようにする
- バビンスキー反射
- 足裏をこすると、足指が扇のように開く
- 匍匐(ほふく)反射
- 腹這にすると這い這いするように動かす
- 飛び込み反射
- 腹を支えて急に飛び込みのような姿勢をすると頭の先に手を差し伸べる